年末調整

勤労学生について

所得者本人が、次の①、②、③のいずれにも該当する方が対象となります。

①次に掲げる学校等の児童、生徒、学生又は訓練生であること。
(イ)学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、高等専門学校

(ロ)国、地方公共団体、学校法人、準学校法人、独立行政法人国立病院機構、独立行政法人労働者健康福祉機構、日本赤十字社、商工会議所、健康保険組合、健康保険組合連合会、国民健康保険団体連合会、国家公務員共済組合連合会、社会福祉法人、宗教法人、一般社団法人、一般財団法人、医療事業を行う農業協同組合連合会、医療法人、文部科学大臣が定める基準を満たす専修学校又は各種学校を設置する者の設置した専修学校等で、職業に必要な技術の教授をするなど一定の要件に該当する課程を履修させるもの。

(ハ)認定職業訓練を行う職業訓練法人で、一定の要件に該当する課程を履修させるもの。

②合計所得金額が65万円以下であること。
※給与所得のみの収入の場合は、当年中の給与の収入金額が130万円以下であれば、合計所得金額65万円以下になります。

③合計所得金額のうち給与所得等以外の所得金額が10万円以下であること。
※「給与所得等」とは、自分の勤労に基づいて得た事業所得、給与所得、退職所得又は雑所得をいいます。


「勤労学生控除」を受けるためには、次の証明書を「給与所得者の扶養控除等(異動9申告書)に添付する必要があります。

①その者が在学する学校等が「一定の要件に該当する課程」を設置する専修学校等又は職業訓練法人であることを証明する専修学校等の長又は職業訓練法人の代表者から交付を受けた文部科学大臣又は厚生労働大臣の証明書の写し

②その者が①の課程を履修する生徒又は訓練生であることを証明する専修学校等の長又は職業訓練法人の代表者の証明書

寡婦(夫)について

<寡婦>
所得者本人が次のいずれかに該当する方が対象となります。

①夫と死別した後、婚姻していない方で、扶養親族又は生計を一にする子のある方
②夫と離婚した後、婚姻していない方で、扶養親族又は生計を一にする子のある方
③夫の生死の明らかでない方で、扶養親族又は生計を一にする子のある方
④夫と死別した後、婚姻していない方で、合計所得金額が500万円以下の方
⑤夫の生死の明らかでない方で、合計所得金額が500万円以下の方
※給与所得のみの場合は、当年中の給与の収入金額が6,888,889円以下であれば、合計所得金額が500万円以下となります。

<特別の寡婦>
「寡婦」のうち、扶養親族である子を有し、かつ、合計所得金額が500万円以下の方が対象となります。

<寡夫>
所得者本人が次のいずれかに該当する方で、生計を一にする子があり、かつ、合計所得金額が500万円以下の方が対象になります。

①妻と死別した後、婚姻していない方
②妻と離婚した後、婚姻していない方
③妻の生死の明らかでない方。

身体障害者について

<障害者(特別障害者)>
所得者本人やその控除対象配偶者、扶養親族で、次のいずれかに該当する方が対象となります。

①精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある方は、すべて特別障害者になります。

②児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター又は精神保健指定医から知的障害者と判定された方のうち、重度の知的障害者と判定された方は、特別障害者に該当します。

③精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方のうち、障害等級が1級の方は特別障害者になります。

④身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、身体上の障害がある者として記載されている方はのうち、障害の程度が1級又は2級である者として記載されている方は特別障害者になります。

⑤戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている方のうち、障害の程度が恩給法別表第1号表ノ2の特別項症から第3項症までの方は、特別障害者になります。

⑥原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律第11条第1項の規定による厚生労働大臣の認定を受けている方はすべて特別障害者になります。

⑦常に就床を要し、複雑な介護を要する方はすべて特別障害者になります。

⑧精神又は身体に障害のある年齢65歳以上でその障害の程度が①、②、④に該当する方と同程度であることの町村長や福祉事務所長などの認定を受けている方のうち、①、②、④に掲げた特別障害者と同程度の障害のある方として町村長や福祉事務所長などの認定を受けている方は特別障害者になります。

扶養親族について

<扶養親族>
所得者と生計を一にする親族で合計所得金額が38万円以下の方が対象となります。
※対象となる「親族」は、6親等内の血族と3親等内の姻族をいいます。
※対象となる「所得者と生計を一にする親族」には、児童福祉法の規定により養育を委託されたいわゆる里子や老人福祉法の規定により養護を委託されたいわゆる養護老人を含みます。

<特定扶養家族>
「扶養親族」のうち、年齢16歳以上23歳未満の方が対象となります。

<老人扶養親族>
「扶養親族」のうち、年齢70歳以上の方が対象となります。

<同居老親等>
「老人扶養親族」のうち、所得者又はその配偶者の直系尊属(父母や祖父母)で所得者等のいずれかとの同居を常況としている方が対象となります。
※所得者等と同居を常況としている老親等が、病気などの治療のため入院していることにより、所得者等と別居している場合は対象となります。
※老親等が所得者等の居住する住宅の同一敷地内にある別棟の建物に居住している場合は、所得者等と食事を一緒にする等日常生活を共にしているときは対象となります。

<同居特別障害者であり扶養親族>
「扶養親族」のうち、次の特別障害者に該当する方で所得者、所得者の配偶者又は所得者と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を常況としている方が対象となります。

控除対象配偶者について

<控除対象配偶者>
所得者と生計を一にする配偶者で、合計所得金額が38万円以下の人が対象となります。
※給与所得のみの収入の方は、当年中の給与の収入金額が103万円以下であれば対象となります。
※公的年金等に係る雑所得だけの方は、当年中の公的年金等の収入金額が158万円以下(年齢65歳未満の人は108万円以下)であれば対象となります。

<老人控除対象配偶者>
「控除対象配偶者」のうち、年齢70歳以上の方が対象となります。

<同居特別障害者である控除対象配偶者>
「控除対象配偶者」のうち、特別障害者に該当する方で所得者又は所得者と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を常況としている方が対象となります。

合計所得に含まれないもの

①利子所得のうち障害者等の利子非課税制度の適用を受けるもの

②遺族の受ける恩給や年金(死亡した人の生前の勤務に基づいて支給されるものに限ります。)

③雇用保険法の規定により支給される失業等給付、労働基準法の規定により支給される休業補償等

④利子所得のうち源泉分離課税とされるもの

⑤配当所得のうち、源泉分離課税とされる私募公社債等運用投資信託及び特定目的信託(社債的受益権に限ります。)の収益の分配

⑥配当所得のうち、確定申告をしないことを選択した、上場株式等の配当等(特定株式投資信託の収益の分配含む。)、公募証券投資信託(公社債投資信託及び特定株式投資信託を除く。)の収益の分配、特定投資法人の投資口の配当等、これら以外の配当等で1銘柄について1回の金額が10万円に配当計算期間の月数(最高12ヶ月)を乗じて12で除して計算した金額以下の配当等

⑦源泉分離課税とされる定期積金の給付補てん金等、懸賞金付預貯金等の懸賞金等、割引債の償還差益

⑧源泉徴収選択口座を通じて行った上場株式等の譲渡による所得等で確定申告をしないことを選択したもの

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の回収と確認

①「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、その年の最初の給与の支払を受ける時までに給与支払者(会社)は社員から回収することになっています。年の途中で社員の扶養親族に異動があった場合には、その都度申告を受けます。

年末調整を実施するにあたり、まだ「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の回収が行われていない社員がいる場合は、必ず年末調整を実施するまでに回収を行って下さい。

②控除対象配偶者(又は老人控除対象配偶者)や扶養親族(又は特定扶養親族、同居老親等、その他の老人扶養親族)、障害者(又は同居特別障害者、その他の障害者)の数、寡婦(又は特別の寡婦)、寡夫、勤労学生などの申告が適正であるかを確認します。

③②に該当するか否かは、年末調整を行う日の現況により判定します。要件の合計所得金額については、年末調整を行う日の現況により見積もった金額、年齢については、12月31日(その日までに死亡した人については、その死亡の日)の現況により判定します。

年末調整の業務フロー

①社員に対し、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」を配布する。
⇒記入の仕方の案内等を社員に対し行う。

②社員から、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」を回収する。
⇒回収した資料に不備・記入漏れ等がないか確認する。

③年間の給与総額、徴収税額の集計を行う。
⇒毎月の給与支給額・源泉徴収税額を集計する。

④給与所得控除後の給与等の金額の計算をする。
⇒「給与所得控除後の金額の算出表」を参照する。

⑤課税給与所得金額の計算をする。
⇒「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」の内容を反映させる。

⑥年調年税額の計算を行う。
⇒「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」の内容を反映させる。

⑦過不足額の精算を行う。
⇒過納額の還付、不足額の徴収・納付を行う。

年末調整の実施時期

年末調整は、通常最終の給与の支払時に実施することとなっているため、12月の給与にて行うこととなりますが、以下の方については、それぞれ次の時期に年末調整を実施します。

①年の中途で死亡退職した人⇒退職の時

②著しい心身の障害のため年の中途で退職した人で、その退職の時期からみて本年中に再就職ができないと見込まれる人⇒退職の時

③12月中に支給期の到来する給与の支払を受けた後に退職した人⇒退職の時

④いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である人(退職後本年中に他の勤務先等から給与の支払を受けると見込まれる場合を除きます。)⇒退職の時

⑤年の中途で非居住者となった人⇒非居住者となった時

年末調整の対象とならない人

①本年中の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人

②災害により被害を受けて、「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」の規定により、本年分の給与に対する源泉所得税の徴収猶予又は還付を受けた人

③2ヶ所以上から給与の支払を受けている人で、他の給与の支払者に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人や、年末調整を行うときまでに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していない人(月額表又は日額表の乙欄適用者)

④年の中途で退職した人で、12月中に支給期の到来する給与の支払を受けた後に退職した人の該当しない人

⑤非居住者

⑥継続して同一の雇用主に雇用されない、いわゆる日雇労働者など(日額表の丙欄適用者)

年末調整の対象となる人

①1年を通じて勤務している人

②年の中途で就職し、年末まで勤務している人

③年の中途で退職した人のうち次に該当する人
(イ)死亡により退職した人
(ロ)著しい心身の障害のため退職した人で、退職の時期からみて、本年中に再就職ができないと見込まれる人
(ハ)12月中に支給期の到来する給与の支払を受けた後に退職した人
(ニ)いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である人(退職後本年中に他の勤務先等から給与の支払を受けると見込まれる場合を除く。)

④年の中途で海外の支店へ転勤したことなどの理由により、非居住者となった人(非居住者とは、国内に住所も1年以上の居所も有しない人)

年末調整とは

給与の支払者である会社は、給与の支払ごとに所定の「源泉徴収税額表」に基づき、所得税を源泉徴収することとなっています。しかし、その源泉徴収した税額の年間合計(毎年1月分~12月分)と給与の支払いを受ける社員が本来納めるべき年間給与総額に対する年間税額は通常一致しません。

一致しない理由としては、
①源泉徴収税額表が年間を通して毎月の給与額に変動がないものとして作成されているが、実際は変動があるため
②年の途中で扶養状況に変動があった場合、毎月の給与では遡って税額の調整を行わないため
③配偶者特別控除や生命保険料、地震保険料の控除などは、毎月の給与での調整はなく年末調整の際に控除されるため
等があげられます。

上記のような、給与の支払ごとに源泉徴収した税額と本来収めるべき年間税額の誤差を精算するため、1年間の給与総額が確定する年末にその年に納めるべき税額を正しく計算し、それまでに徴収した税額との過不足額を求め、その差額を徴収又は還付することが必要となります。この精算手続きが「年末調整」です。